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介護事業者が開業直後の時期を乗り切る方法

東京商工リサーチによると、老人福祉・介護事業者の新設法人は2015年1月~12月で3,116社、2016年1月~6月で1,483社となっています。
2015年「老人福祉・介護事業者」の新設法人調査

一方で、同社が発表した「老人福祉・介護事業の倒産状況」を見ると、2016年1月~9月に倒産した事業所が前年同月比35%増の77件でした。
2016年1-9月「老人福祉・介護事業」の倒産状況

毎年新設されている事業所がある一方で、倒産に追い込まれている事業所も少なからずあるということです。どんな業種にも言えることですが、新規開業時にはきちんと計画をたて、準備を行うことは必須です。そこで今回はこれから介護事業所の新規開業を考えている方に向けて、開業までに考えて頂きたい3つのポイントを紹介します。

介護業界特有の開業時の資金繰り

介護業界は事業所を開設して3か月間はほぼ無収入の状態です。そのカラクリは、介護報酬の請求から入金までのスケジュールにあります。一般的に小売店では、サービスや商品を提供した時点で、売り上げが発生し入金されます。しかし介護業界では、事業所はサービス提供月の翌月10日頃までに、国保連連合会へ請求を上げ、さらにその翌月末に入金になります。

もちろん、その間にも毎月支払わなければいけない諸経費が発生します。利用者の方がゼロであっても、開業時には指定基準を満たすための人員を雇用しなければなりません。物件は介護事業での使用承諾がある物件を探し出し、設備基準を満たすような内装工事を行う必要があります。訪問介護等で自宅を事業所にするという場合は、事務所の賃料は発生しませんが人件費以外にも、水光熱費、広告宣伝費、その他消耗品等が必要になってきます。

他業種のように規模が大きくなるまでは自分と家族のみで賄い、起動に乗り始めたら広い物件に移転し、従業員をその都度増やしていくという運営をすることが難しいのです。

もちろん、利用者の方がゼロの場合は、その間ずっと無収入になります。開業すればどこからともなく利用者の方が集まってくる、という可能性はとても低いです。開業・運転資金として最低でも3~6か月分くらいを用意しておかなければ、せっかく立ち上げてもすぐに資金が回らなくなってしまいます。

ぜひ利用したい開業時融資

開業時融資の代表的で認知度が高いものの1つに、日本政策金融公庫の新規開業資金があります。対象は「新たに事業を始める人や事業開始後おおむね7年以内の人」です。使途、返済期間、担保の有無等で適用される利率が決定されますが、比較的低金利で融資を受けることが可能です。据置期間が2年以内で設定されているので、開業後一定期間は多くの入金が見込めない介護業界にはありがたいですね。

融資元は会社の状況をみて実行可能かどうかの判断をしますので、資金繰りが厳しくなってからお金を借りようとしても、なかなか難しいのが現実です。借金だからといって恐れずに開業時の借入はぜひ行っておきましょう。
日本政策金融公庫・創業時に利用できる融資制度

また、自治体が窓口となって行う制度融資もあります。自治体自体が融資を行うのではなく、保障協会や銀行との仲介役となってくれます。自治体を間に挟むことで、融資が通りやすくなることもありますし、事業計画書のサポートや創業時のアドバイス等を行ってくれるところもありますので、一度相談に行かれることをオススメします。自治体によって対象や審査基準等の制度内容が異なりますので、一度管轄の自治体のホームページ等を確認してみてください。

他にも東京都独自の政策ですが、「創業を具体的に計画している方や創業後5年未満の中小企業者」を対象に最大300万円の助成制度もあります。また、創業者が女性や55歳以上のシニアであれば、融資や経営サポートを受けることができる制度もあります。ちょっと探してみると創業を支援してくれる制度は色々ありますね。
創業活性化特別支援事業
女性・若者・シニア創業サポート事業

中小企業庁が運営している中小企業サポートサイトもありますので、ぜひ一度覗いてみてください。
ミラサポ「創業・企業」
ミラサポ「補助金・助成金ヘッドライン」

居宅介護支援事業所の併設

事業所を開業した時、一緒に居宅介護支援事業所を併設するのも一つの手です。利用者の方を増やすことは容易ではありません。そのため、集客の方法の1つとして、居宅介護支援事業所を併設するのです。ケアマネージャーが特定の事業所に紹介できる割合は80%までと決まっていますが、うまく利用すれば利用者の方を増やし、売上を増加させることができるでしょう。

訪問介護施設や通所介護施設等に併設する場合は、新たに場所を確保したり費用を掛けなくても、一画を居宅支援事業所用とすることができます。また、ケアマネージャーの資格が必要ですが、管理者と従業員の2名で人員基準を満たすことができすので、人材確保の負担も比較的少ないでしょう。(地域によって異なる場合がありますので、詳しくは管轄の窓口までお問合せください。)

ただし、居宅介護支援の場合は、利用者負担はなく全額が国保連合会への請求となるため、入金サイトに注意が必要です。

フランチャイズへの加盟

事業所を開業するには、指定申請から運営計画、人材確保、利用者の募集等、やらなければいけないことがたくさんあります。また、それには多くの情報やノウハウが必要です。新規事業として立ち上げたものの、何からどうやって手を付ければいいか・・・そんなときにはフランチャイズの利用を検討してみてください。

フランチャイズの大きなメリットの1つは、ノウハウの提供を受けられることです。開業支援や経営計画、採用、サービス等介護業に特化した様々なノウハウを得ることができます。介護保険法の改正情報などもいち早く入手することができます。最初にお話しした開業直後の資金繰りについてもアドバイスをもらうことができるでしょう。

また、利用者の増加を見越して多めに職員を採用したけど、思うように集客が進まず売上は上がっていないのに人件費だけかさみ、資金繰りが悪化してしまった。個人で介護事業を始めると、このような状況に陥ることも想定されます。
フランチャイズに加盟していれば、本部によっては一括で募集をかけてくれますから、段階的に職員を増やすことが可能です。そうすれば、売上が上がっていない時期に人件費の出費で資金繰りが悪化してしまう、という状況は防ぐことができます。

ただし、メリットばかりではありません。フランチャイズに加盟すると、毎月本部へのロイヤリティの支払いが発生します。支払額は固定で決まっていたり、売上の〇%となっていたり、本部によって様々です。また、本部によっては独自のサービスを実施できなかったり、一部自由を制限される部分も出てきます。

フランチャイズの加盟にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。まずはご自身がどのようなサービスを利用者の方へ提供していきたいのかをしっかりと考えましょう。そして、そのサービスが提供できるかどうかをまずは判断基準の1つとし、メリット・デメリットをよく吟味した上で、加盟するフランチャイズを選択してください。

まとめ

介護業界特有のサービス提供から請求・入金になるまでのスケジュールによる開業時の資金繰りを乗り切る方法をまとめます。

・開業時融資の活用
 日本政策金融公庫の新規開業資金や自治体の制度融資をみてみましょう。
・居宅介護支援事業所の併設
 集客方法の1つとして、利用者さんの獲得を目指しましょう。
・フランチャイズへの加盟
 様々なノウハウの提供を受けることができます。
  ただし、デメリットもあるので加盟する本部は慎重に検討を。

介護事業を支援する仕組みは色々と存在します。うまく活用して経営を行っていきましょう。
弊社はファイナンス周りのお手伝いをしておりますので、資金繰りを改善したい、決算書をきれいにしたい等のご要望がありましたら、お気軽にお問合せ下さい。もちろん、ご相談だけでしたら無料でお受けいたします。皆さまからのご相談をお待ちしております。

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