ファクタリングのデメリット7つ|利用前の注意点と借入との使い分け
「ファクタリングは便利だと聞くけど、デメリットはないの?」
資金繰りに悩んだとき、ファクタリングを検討する経営者の方は少なくありません。
ファクタリングは、売掛金を入金日前に現金化できる資金調達方法です。銀行融資と比べてスピーディーに資金調達できるため、多くの企業が活用しています。
しかし、どんな資金調達方法にもメリットとデメリットがあります。
特にファクタリングは、仕組みを十分に理解しないまま利用すると、かえって資金繰りを悪化させてしまうケースもあります。
実際に、
- 「とりあえず今月を乗り切りたい」
- 「来月のことは来月考えよう」
という考えで利用した結果、継続利用から抜け出せなくなる企業もあります。
今回は、ファクタリングを利用する前に知っておきたい7つのデメリットと、借入との使い分けについてわかりやすく解説します。
ファクタリングの主なデメリット7つ
ファクタリングは便利な資金調達方法ですが、決して万能ではありません。
まずは、利用前に知っておきたい代表的なデメリットを確認しておきましょう。
手数料が差し引かれるため、売掛金の額面より受取額が少なくなる
ファクタリングで最も分かりやすいデメリットが手数料です。
例えば、100万円の売掛金を手数料5%で資金化した場合、実際に受け取れる金額は95万円になります。
「5%なら大したことない」と思う方もいますが、30日間で5%のコストを年率換算すると約60%です。
もちろんファクタリングは融資ではありませんので単純比較はできません。
しかし、「早く資金化できる代わりにコストがかかる」という点は理解しておく必要があります。
売掛金の金額を超える資金は調達できない
ファクタリングは売掛金を売却する仕組みです。
そのため、調達できる金額は保有している売掛金の範囲内に限られます。
銀行融資のように、
- 設備投資
- 新規事業
- 店舗出店
といった目的で、大きな資金を調達することには向いていません。
売掛先の信用力によっては利用できない
ファクタリングでは、自社よりも売掛先の信用力が重視されます。
売掛先の経営状況に不安がある場合や、支払遅延が多い場合などは、審査に通らないケースもあります。
売上があるから必ず利用できるとは限らない点は理解しておきましょう。
3者間ファクタリングでは売掛先への通知・承諾が必要になる

3者間ファクタリングでは、売掛先へ通知を行い承諾を得る必要があります。
そのため、
- 手続きに時間がかかる
- 売掛先との調整が必要になる
- 資金調達をしていることが伝わる
といったデメリットがあります。
手数料は低くなる傾向がありますが、スピードや取引先との関係性も考慮する必要があります。
2者間ファクタリングは手数料が高くなりやすい
2者間ファクタリングは売掛先へ通知しないため、スピーディーに利用できます。
その一方で、ファクタリング会社のリスクが高くなるため、3者間よりも手数料が高くなりやすい傾向があります。
手数料を抑えたい場合は、3者間ファクタリングも含めて比較検討することが大切です。
2者間では回収した売掛金を一括で送金する必要がある
2者間ファクタリングでは、売掛先からの入金は一度、ファクタリングを利用した企業の口座へ振り込まれます。
その後、ファクタリング会社へ送金する流れとなります。
もし、その資金を別の支払いに使ってしまうと契約違反になる可能性があります。
最悪の場合、契約違反だけでなく、詐欺や横領などの重大なトラブルに発展する可能性もあります。
利用後も適切な資金管理が必要です。
継続利用すると資金繰りが悪化しやすい
これは特に重要なポイントです。
ファクタリングは利益を生み出すサービスではありません。
将来入金される売上を前倒しで受け取る仕組みです。
分かりやすく言えば、「給料の前借り」に近い考え方です。
今月は資金繰りが楽になります。
しかし、来月入るはずだったお金を先に受け取っているため、根本的な改善になっていない場合は再び資金不足に陥ります。
自転車操業の状態でファクタリングを利用することは、「自転車をバイクに変えるようなもの」です。
確かにスピードは上がります。
しかし、その先が崖であれば到着するスピードも速くなるだけです。
ファクタリングを利用しないほうがよいケース
ファクタリングは有効な手段ですが、すべてのケースに適しているわけではありません。
状況によっては、別の方法を検討した方がよい場合もあります。
毎月の運転資金が不足している場合
慢性的な資金不足は、ファクタリングだけでは解決できません。
まずは利益改善やコスト削減など、根本原因への対応が必要です。
利益率が低く、手数料を負担すると赤字になる場合
利益率の低い事業では、ファクタリング手数料が大きな負担になることがあります。
利用前には、手数料を払っても利益が確保できるか確認しましょう。
大きな金額や長期的な資金が必要な場合
設備投資や事業拡大など、中長期的な資金調達には借入の方が適しているケースが多くあります。
ファクタリングはあくまで短期的な資金繰り改善の手段と考えるべきでしょう。
ファクタリングのデメリットを抑える3つの方法
デメリットがあるからといって、ファクタリングが使えないわけではありません。
利用方法を工夫することで、リスクを抑えながら活用できます。
手数料率ではなく、最終的な受取額と総費用を確認する
手数料率だけで比較するのは危険です。
実際には、
- 振込手数料
- 登記費用
- 事務手数料
- 調査費用
などが発生する場合があります。
そのため、「手数料〇%」だけで判断するのではなく、最終的にいくら入金されるのかを確認することが重要です。
複数社から見積もりを取得し、総費用で比較することをおすすめします。
2者間と3者間の違いを理解して選ぶ
スピードを優先するなら2者間
2者間ファクタリングはスピードが早く、売掛先へ通知されません。
一方で、ファクタリング会社のリスクが高いため手数料も高くなりやすい傾向があります。
手数料を優先するなら3者間
3者間ファクタリングは売掛先の承諾が必要になりますが、その分手数料を抑えられるケースが多くなります。
コストを重視するのか、スピードを重視するのかを考えながら選択することが大切です。
契約内容と運営会社を確認する
ファクタリング業界は、銀行や貸金業のように厳格な許認可制度が整備されている業界ではありません。
極端に言えば、現在は誰でも参入できる業界です。
もちろん真面目に運営している会社が大半ですが、中には問題のある業者が存在するのも事実です。
だからこそ、
- 契約内容が明確か
- 手数料の説明が十分か
- 実績があるか
- 所在地が公開されているか
などを事前に確認しましょう。
ファクタリングが危険なのではなく、業者選びが重要なのです。
ファクタリングと借入はどちらを選ぶべき?
ファクタリングと借入は、どちらが優れているというものではありません。
目的に応じて使い分けることが大切です。
急な一時的支払いにはファクタリングを検討する
例えば、
- 外注費の支払い
- 急な仕入資金
- 給与支払い
- 税金の納付
など、一時的な資金不足を補いたい場合はファクタリングが有効です。
売上はあるものの入金が先の場合、資金繰り改善の手段として活用できます。
長期的な資金には借入を検討する
設備投資や店舗出店、新規事業など、中長期的な資金が必要な場合は借入が向いています。
ファクタリングは売掛金の範囲内でしか資金調達できません。
また、継続利用すると手数料負担も積み重なります。
長期的な資金ニーズには、銀行融資や日本政策金融公庫などの利用を検討する方が適しているケースが多いでしょう。
ファクタリングと借入の比較
| 比較項目 | ファクタリング | 借入 |
|---|---|---|
| 取引の性質 | 売掛金の売却 | 資金の借入 |
| 調達できる金額 | 売掛金の範囲内 | 審査結果による |
| 支払い方法 | 売掛金の回収後に決済 | 分割返済が可能 |
| コスト | 手数料 | 金利・諸費用 |
| 向いている用途 | 緊急の短期資金 | 中長期の運転資金・設備資金 |
ファクタリングのデメリットに関するよくある質問
ここでは、MEDS JAPANへよく寄せられる質問について回答します。
ファクタリングは違法な資金調達方法ですか?
違法ではありません。
ファクタリングは売掛債権を売却する正常な商取引です。
ただし、契約内容によっては貸付と判断される可能性があるため、契約内容の確認は重要です。
ファクタリングを利用すると必ず取引先に知られますか?
必ず知られるわけではありません。
2者間ファクタリングであれば、原則として売掛先への通知は不要です。
一方で、3者間ファクタリングでは売掛先の承諾が必要になるため、利用を知られることになります。
ファクタリングの手数料相場はどのくらいですか?
一般的には、
- 2者間ファクタリング:5%~20%程度
- 3者間ファクタリング:1%~10%程度
が一つの目安とされています。
ただし、売掛先の信用力や取引条件によって変動します。
ファクタリングは赤字企業でも利用できますか?
利用できる可能性があります。
ファクタリングでは、売掛先の信用力が重視されるため、赤字企業や創業間もない企業でも利用できるケースがあります。
ファクタリングを毎月利用しても問題ありませんか?
毎月利用すること自体は可能です。
しかし、継続利用が前提になると手数料負担が積み重なり、かえって資金繰りを悪化させる可能性があります。
慢性的な資金不足の場合は、利益改善や借入なども含めて検討することをおすすめします。
まとめ
ファクタリングは便利な資金調達方法ですが、もちろん万能ではありません。
例えば、
- 手数料が発生する
- 売掛金以上の資金は調達できない
- 2者間は手数料が高くなりやすい
- 継続利用すると資金繰りが悪化しやすい
といったデメリットがあります。
特に継続利用は、「給料の前借り」と同じような状態になりやすく注意が必要です。
また、自転車操業の状態で利用すると、自転車をバイクに変えるだけで、根本的な解決にならないケースもあります。
一方で、デメリットを正しく理解し、一時的な資金不足を補う目的で活用すれば、非常に有効な資金調達手段でもあります。
大切なのは、「資金が足りないから利用する」のではなく、「なぜ資金が不足しているのか」を把握することです。
ファクタリングが危険なのではありません。
危険なのは、内容を理解しないまま利用することと、業者選びを間違えることです。
契約内容や手数料を確認し、自社の状況に合った資金調達方法を選びましょう。
MEDS JAPANでは、お客様の資金繰り全体を踏まえたご提案を行っております。
「ファクタリングを利用すべきか迷っている」
「他社の手数料が適正か知りたい」
という方は、お気軽にご相談ください。