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ファクタリング契約時の注意点
東京都台東区・北海道札幌にて、中小企業の資金調達をサポートしておりますファクタリング プロです。今回のブログでは、ファクタリング契約時の注意点についてご説明いたします。
ファクタリングの契約手続は会社の重要な契約手続です。
契約内容の確認はもちろん、提出する書類や契約書の控えをもらう等、
ポイントとなる点を押さえて不利な契約を締結しないように注意しましょう。
契約手続は対面が原則
ファクタリングの契約は対面での契約が原則です。
ファクタリング会社のほとんどが東京にあるので、地方の方は上京するか、出張契約を依頼します。
弊社とのご契約でも対面でのお手続きとさせていただいております。
とくに中小零細企業は企業自体の信用力が低いこともあって、ファクタリング会社も経営者と会いたいと思うものです。
また、債権譲渡登記を行う場合は契約書や委任状に押印する印鑑が印鑑証明書の印影と一致するかを確認しなければなりません。
稀に郵送での契約を希望される方がいらっしゃいますが、数百万円の資金調達の契約を一度も会わずに行うことをリスクだと考えるべきだと思います。
できれば、本当に信頼できるファクタリング会社かどうかを確認するために、ファクタリング会社のオフィスで契約することをお勧めします。
自社のオフィスに来社されるのを嫌がったり、レンタルオフィスを使っているような場合は警戒すべきです。
契約を対面で行うのは、ファクタリング会社と御社の双方にメリットがあります。
ファクタリング プロでは札幌市と東京のオフィスへのご来社かお客様の会社への出張契約をお選びいただけます。
※北海道、札幌の方は札幌営業所 011-206-4884までお問い合わせください。
契約内容は必ず説明を受ける
お金を出してもらう立場とすれば、相手の印象を悪くしたくないという心理が働くのは理解できます。
また、「契約書は難しい言葉が並んでいて理解できない」というのもわかります。
でも、どのような契約を結んだのか知らずに印鑑を押すのは非常にリスクが高いので絶対にやめましょう。
最悪の場合は会社の信用が低下したり、資金繰りがさらに悪化することになります。
- わからない言葉があれば言葉の意味を確認する。
- 言い回しでどちらにでも取れるような書き方であればどちらの意味なのか確認する。
- 費用の金額を確認する。
- 決済日や金額を確認する。
- 買取対象の売掛金債権がどれなのか確認する。
- いくらで買い取ってくれたのかを確認する。
- 万一、決済されないときはどうなるのか確認する。
どんなに小さな疑問でも確認せずに契約してしまうと、トラブルになってから弁護士に相談しても勝ち目はありません。
さらに悪質なことに、ファクタリング会社の中には契約書類の控えを渡さないところもあると聞いています。
これでは一方的に不利な契約を結ばれてもお客様は気づけません。
ですから、上記のポイントは必ず説明を受け、全ての契約書類の控えをもらうようにしましょう。
ファクタリング プロでは契約書の内容について、わかりやすい言葉に置き換えて説明しているほか、契約時に使用した全ての書類の控えをお渡ししています。お持ち帰りいただいた後でご不明な点があればお電話やメールでお問い合わせいただくことができます。これは、ファイナンスサービスグループとして当然のことだと考えております。
債権譲渡登記について
債権を譲渡したことは、御社とファクタリング会社の当事者しか知りません。
(3者間ファクタリングの場合は売掛先も当事者になります)
もしも、第三者がファクタリングで譲渡した売掛金を差し押さえたり、うっかり他人に二重に譲渡したりすると大きなトラブルになります。
そこで、債権の譲渡を登記する制度が設けられました。
登記できるのは法人間の取引のみで、債権の他に動産の譲渡についても登記することができます。
この仕組みによってファクタリングや債権担保融資が幅広く活用されることとなりました。
債権譲渡登記の受付は東京法務局が全国の窓口となっています。
債権譲渡登記の概要は法務局に申請すればだれでも確認できますが、一般の方には全く馴染みのないものですから、登記によって売掛先に知られるリスクはほとんどないと言っていいでしょう。
ただし、金融機関に融資を申し込むと審査時点で債権譲渡登記を確認されますから、融資を申し込む予定があるならファクタリングの決済後に登記を抹消しておくようにします。
ファクタリング会社の中には、お客様の主要な売掛先との間で将来発生する売掛金債権を登記しているケースがあります。
将来発生する債権を登記するのは一般的には債権担保融資の手法ですから、銀行が確認した時にこのような登記をしていると融資だと受け取られてしまう可能性があり、銀行審査に悪影響を及ぼす可能性がありますのでご注意ください。
ファクタリング プロは原則として売掛先と債権を個別に指定した既発生の債権を譲渡する契約ですから、登記も債権個別で行っています。万一、銀行から問い合わせがあっても契約書類の控えをご提出いただければ問題になることはありません。ファクタリング プロの登記事務は司法書士に依頼しており、登記費用は約4万円、抹消費用は約2万円です。ファクタリング プロでは、出張以外の契約では必ず司法書士事務所に立ち会いを依頼し、ご契約内容のご説明などもしっかり行っております。
なお、ファクタリング プロでは3者間契約の場合は債権譲渡登記を行っておりません。
その他の注意事項
業務委託契約を求められた
2者間契約の場合は、譲渡された売掛金の支払いについて、売掛先は通常通り御社へ支払います。
しかし、譲渡した売掛金を御社が受け取る権利はありません。
そこで、譲渡した売掛金を集金して、ファクタリング会社へ送金する業務を委託する契約をファクタリング会社との間で結びます。
なお、3者間契約のときは売掛先が直接ファクタリング会社に支払うのでこうした契約は不要です。
株式譲渡契約を求められた
他のファクタリング会社を利用されたお客様から、ファクタリングの契約時に株式を譲渡する契約を結ばされたというお話を聞いています。
2者間契約で、決済日に決済されなかったときはお客様の株式をファクタリング会社に譲渡するという内容です。これはファクタリング会社が回収不能リスクを回避しようとしているだろうと思われます。
しかし、売掛金を買った側が、売った側にリスクを負担させるという構図は、回収不能リスクも引き受ける債権譲渡契約の原則から外れていて、リコースファクタリングのように見えます。
現時点でこうした手法について明確な法律上の判断がありませんが、リコースファクタリングだとすればファクタリング会社は貸金業の登録を受けていなければなりません。
債務承認公正証書を作成された
株式譲渡契約と同じで、集金業務の際に送金しないリスクを債務として承認させて強制執行文言を付与した公正証書としているケースです。
これも債権譲渡契約に付随する契約なので、実態としては買い手がリスクを負っていません。
こうした条件を提示されたら契約せずに弁護士等の専門家に相談しましょう。
契約書類の控えをもらえない
上でもお話ししましたが、契約書類の控えを一切渡さないファクタリング会社があると聞いています。
お客様が控えを要求しても、「普段から渡していない」「外部に絶対に見せないと約束してほしい」と言われるケースもあるそうです。
たとえば、自動車や不動産を買うときは売買契約書の控えを必ずもらうはずです。
売ったものに瑕疵があれば責任を負うかもしれませんし、買った相手が代金を支払ってもらえないかもしれません。
なにより、売掛金債権を売却すると、会計上も金融資産の譲渡として処理しなければなりません。
そのようなときに契約書類がなければ税理士さんも処理できないのです。
それは、契約内容が違法だということです。
ヘタに契約書を渡せば、そこから自分たちのやっていることが違法だと認定されることを恐れているのです。
このようなファクタリング会社はヤミ金の可能性が高いので、絶対に契約しないようにしましょう。
手数料や費用が事前の話違う
電話で問い合わせて事前の審査では15%の手数料と聞いていたのに、契約に東京へ行ったら25%と言われたというようなお話もお客様から伺うことが少なくありません。
お客様としても、わざわざ東京まで来たのだから仕方がないと契約してしまうのですが、結果として翌月の資金繰りが予定通りにいかず、手数料の低い弊社にお問い合わせをいただくのです。
このようなやり方は許せませんが、妥協してしまうお客様にも非があります。
こうした被害を受けないためには、次のような対策が有効です。
- 事前に手数料や費用を口頭ではなく書面やメールでもらっておく。
- 契約のときに話が違うなら契約しない。
- 足元を見られないようにするため、日程に余裕をもって申し込む。
- 経理担当者等も同席させて、冷静な判断ができるようにする。
何度も東京へ行ったり、何人も連れて行くのは経費がかかると思うかもしれませんが、 仮に500万円のファクタリングなら手数料が5%違うだけで25万円になります。 北海道や九州から飛行機で二人で一往復しても10万円ちょっとですから、 それで低い手数料のファクタリングが利用できるなら損はないと思います。
まとめ
ファクタリング契約に際してとくにご注意いただきたい点についてお話ししました。
ファクタリングは、ローンや保険のように法律で「こうしなければならない」と決められていませんから、様々なファクタリング会社が様々な条件でファクタリング商品を提供しています。
利用者からすればとてもわかりにくく、ここに挙げた様々な契約にも、法的に問題のあるものもあればそうとは言えないものもあります。
ファクタリングを利用する際に不利な契約をしないために一つだけ確かなのは、不審に思ったら絶対に契約をしないことです。
ファクタリング契約は、一般の消費者を対象とした契約と違って、法人間の契約あり、経営のプロがした契約として認識されるので「知らなかった」というのは通用しないことが多く、法律上もあまり保護されません。
ご自分が経営する会社や従業員、お取引先を守るためにも、目先のお金に惑わされて冷静な判断ができなくなってから申し込むのではなく、ある程度日数に余裕をもっていくつかのファクタリング会社を吟味するようにしましょう。